ネットワークビジネス売上高ランキング2025
皆さん、こんにちは。
元マルチの帝王、現在はIT企業の経営者で薬剤師でもある垣内です。
さて、本日もよろしくお願いします。今回は、ついに発表された「ネットワークビジネス売上高ランキング2025年決定版」をテーマにお話ししていきたいと思います。
このランキングは、2024年の1年間、つまり昨年の完全な実績に基づいたもので、「月刊ネットワークビジネス」という専門誌で特集されているベスト100社のデータを基にしています。
この記事では、特に注目すべきトップ10社に焦点を当て、ランキング形式で一社ずつ深掘りしていきます。それぞれの会社の前年対比のデータはもちろん、私が持つ業界経験や薬剤師としての専門知識を交えながら、各社の現状や裏側にある課題、そして今後の展望について、忖度なく切り込んでいきたいと思います。
今、ネットワークビジネスに取り組んでいるあなた、あるいはこれから始めようかと考えているあなたにとって、この記事は業界の「今」を正確に知るための羅針盤となるはずです。ぜひ、ご自身のビジネスの未来を予測しながら、最後までお付き合いください。
それでは、早速ランキングの発表に移りましょう。
第10位から読み解く業界の現状
まずは、トップ10の幕開けとなる第10位の企業から見ていきましょう。ここからすでに、業界が抱える根深い問題が見え隠れしてきます。
第10位:ナチュラリプラス(売上高:121億円 / 前年比:5%ダウン)

第10位はナチュラリプラスさんです。売上高121億円、前年比で5%のダウンという結果でした。
この結果を見て、「おめでとうございます」と言うべきなのか、少し複雑な心境ですね。なぜなら、このナチュラリプラスさんという会社は、過去に大きな問題を経験しているからです。
皆さんは覚えていますでしょうか。今からもう10年ほど前になりますが、ナチュラリプラスさんは行政処分を受けた過去があります。
【用語解説】行政処分とは?
法律に違反する行為などがあった場合に、国や地方自治体といった行政機関から下される業務停止命令や改善命令などの処分のことです。企業の信頼性に大きく関わる重要な出来事です。
この行政処分という出来事が、同社の経営にどれほど大きな影響を与えたか。処分を受ける前の売上高は、一説には300億円、あるいは400億円にも達していたと言われています。それが、この10年で実に3分の1以下にまで落ち込んでしまったのです。
そして今回の「5%ダウン」という数字は、その下落がいまだに止まっていない、つまりまだ底を打っていない状態であることを示唆しています。これは、一度失った信頼を取り戻すことの難しさを物語っていると言えるでしょう。
では、なぜ売上が下がり続けているのか。同社の主力製品から、その一因を探ってみましょう。
主力製品「水素水」と「ルテイン」への科学的視点
ナチュラリプラスさんの主力製品は、「ルテイン」と「水素水」です。特に水素水については、私自身、薬剤師そして科学者の端くれとして、いくつか申し上げたいことがあります。
大変申し上げにくいのですが、科学者の間では「絶対に飲まない水」という話題が挙がることがありまして、そのベスト3に、残念ながら「水素水」は入ってきます。
「え、水素水って体に良さそうじゃないか」と、あなたも思われるかもしれません。しかし、ここには科学的な事実に基づいた、いくつかの疑問点が存在します。
- 水素は水に溶けない:そもそも水素(H2)は、分子が非常に小さく、基本的に水にはほとんど溶けません。
- ペットボトルを透過する:仮に水に溶け込ませたとしても、水素はペットボトルのような容器の分子の隙間を簡単に通り抜けて、外へ逃げてしまいます。
つまり、「このボトルの中に本当に水素が入っているのか?」「入っていたとして、それがどうやって体内の血流まで届くのか?」という根本的な問いに、明確な証明が必要になるわけです。
もし企業側が、「このボトル内には測定の結果これだけの水素量が含まれており、飲用後、このような作用機序で血流にまで到達します」という科学的データを提示できるのであれば話は別です。しかし、私の知る限り、そこまで厳密な証明がなされているケースは極めて稀です。
そうなると、結局は「ただの水に、高いお金を払っているのではないか?」という合理的な疑念が生まれてしまいます。体に良いとされる水素を摂取したいのであれば、水素ガスを直接吸入する方がよほど効率的ではないか、とさえ思えてきます。
もう一つの主力製品である「ルテイン」についても見てみましょう。
【用語解説】ルテインとは?
マリーゴールドなどの緑黄色野菜に多く含まれるカロテノイドの一種で、強力な抗酸化作用を持つことで知られています。特に、目の健康維持に役立つ成分としてサプリメントなどに利用されています。
ルテインが持つ抗酸化作用自体は、科学的に認められており、素晴らしいものです。しかし、市場を見渡せば、より安価で質の高いルテイン製品は他にもたくさん存在します。競争が非常に激しい分野なのです。
また、「目に良い」というイメージが先行していますが、私が過去に調査した文献によれば、「数分から数時間というごく短期間での改善は見られたものの、それが持続的な改善につながったというデータは「ない」という報告もあります。
以前、緑内障と診断された方から「このルテイン製品を飲んだらどうか」と相談を受けたことがありますが、私は明確に「効果は期待できない」とお伝えしました。緑内障は眼圧の上昇が原因の病気であり、抗酸化作用を持つルテインが眼圧に直接作用することはないからです。
このように、主力製品に対する科学的な視点や市場での競争環境を考えると、ナチュラリプラスさんが苦戦を強いられている状況も理解できるのではないでしょうか。私のもとに、全く関係のない方から製品に関する問い合わせが来るくらいですから、現場レベルでは相当な混乱があるのかもしれません。
これが、第10位ナチュラリプラスさんの現状です。「下がり続けて、まだ底が見えない会社」。これが私の率直な印象です。
第9位〜第7位 中堅企業の躍進と課題
続いて、9位から7位を見ていきましょう。ここには、古典的なビジネスモデルで力強く成長する企業と、カリスマリーダーに支えられる外資系企業が登場します。それぞれの光と影に迫ります。
第9位:グラントイーワンズ(売上高:151億円 / 前年比:16.1%アップ)

第9位は、グラントイーワンズさん。売上高151億円、そして特筆すべきは前年比16.1%アップという驚異的な伸びです。これは本当にすごいことです。
この会社は、ネットワークビジネス業界の中では非常に古典的なスタイル、言うなれば訪問販売に近いビジネスモデルを展開しています。
【用語解説】訪問販売とは?
販売員が消費者の自宅などを直接訪問し、商品を販売する形態のこと。対面での丁寧な商品説明やコンサルティングが特徴です。
主力製品は、補正下着です。
これまでの補正下着というと、機能性は高いものの、デザイン性がいまひとつで、「色気がない」というイメージが強かったのではないでしょうか。サミットさんやマルコさんなど、素晴らしい会社は他にもありますが、デザイン面では少し物足りなさを感じる方もいたかもしれません。
グラントイーワンズさんは、まさにその点を追求しました。「補正機能」と「デザイン性の高さ(可愛らしさ)」を両立させることで、強力な商品力を生み出したのです。それでいて、価格は他社と大きく変わらない。ここに、同社の強みがあります。
ビジネスモデル自体は、正直なところ古い形式です。しかし、経営陣やリーダーと言われる方々に業界のカリスマが揃っており、その求心力が、営業力のある優秀な人材を引き寄せているのでしょう。
150億円規模の会社が16%以上も成長するというのは、並大抵のことではありません。コロナ禍では、試着会のような対面での活動が制限され、厳しい時期があったと聞いています。しかし、その制約がなくなった今、溜まっていたエネルギーが一気に爆発したかのように、本来の力を発揮しているのではないでしょうか。
もともと営業力があり、人を育てるのもうまいリーダーたちが、コロナ禍でできなかった活動を再開した結果が、この数字に表れている。私はそのように分析しています。素晴らしい成長だと思います。
第8位:アシュラン(推定売上高:170億円)

第8位はアシュランさんです。こちらは推定売上高で170億円とされていますが、前年比のデータは公開されていません。
ただ、私が現場から聞く情報や肌感覚からすると、正直なところ「この売上はないのではないか」と感じています。実際はもっと落ち込んでいるのではないでしょうか。
アシュランさんは、良くも悪もファミリーカンパニー的な色彩が強い会社です。社長と会員さんの距離が非常に近く、そのカリスマ性で組織をまとめている側面があります。それは一体感を生むという良い影響をもたらす一方で、少し特殊な文化を形成しているとも聞きます。
例えば、「アシュランで稼いだお金は、アシュラン関連のことに使いましょう」といったような、独特の不文律があるという話も耳にします。
会員層は年配の方が中心で、製品そのものは、さすが日本の会社だけあって品質は良いようです。ただし、価格はかなり高額に設定されています。
私が最も懸念しているのは、会員の間で「買い込みをさせられて、結局儲かっていない」という問題が頻繁に聞かれる点です。せっかく強力なカリスマリーダーがいるのですから、その影響力を、もっと健全なリーダー教育に向けるべきではないでしょうか。
私のところにも、アシュランさんの内部事情に関する相談が寄せられるくらいですから、組織の末端では、かなり深刻な問題が起きている可能性があります。このランキングの数字だけでは見えない、根深い課題を抱えている会社だと私は見ています。
第7位:フォーエバーリビングプロダクツ ジャパン(FLP)(推定売上高:190億円 / 前年比:10%アップ)

第7位には、外資系のフォーエバーリビングプロダクツ ジャパン(通称FLP)さんがランクインしました。推定売上高190億円、前年比10%アップと、こちらも好調です。
FLPさんの代名詞といえば、何と言っても「アロエベラジュース」ですね。
かつて、関西で一世を風靡した「ミキズダイエット」というプログラムとコラボレーションし、店舗展開も行うというユニークな戦略で大きな成功を収めた時代がありました。
もちろん、その頃に比べれば勢いは落ち着いていますが、最近になって再び成長軌道に乗っています。その原動力となっているのが、一人のカリスマリーダーの存在です。
皆さんもご存知かもしれませんが、YouTubeなどで活躍されている、非常に影響力の強いスピリチュアル系のリーダーが、このFLPのビジネスを強力に牽引しているのです。彼女の存在が、この10%アップという数字を生み出したと言っても過言ではないでしょう。
しかし、製品とビジネスモデルに目を向けると、いくつかの課題が見えてきます。
主力のアロエベラジュースは、「腸活に良い」といったイメージで語られることが多いですね。食物繊維が豊富なので、その点では確かに良い面もあるでしょう。しかし、問題はその価格です。
FLPが日本でビジネスを始めた当初は、アロエベラジュース自体が珍しく、競合もほとんどいませんでした。しかし今はどうでしょうか。インターネットで検索すれば、もっと安価で高品質なアロエジュースはいくらでも見つかります。完全に市場価格と乖離してしまっているのです。
さらに、ビジネスの根幹である報酬プランに目を向けると、会員への還元率が非常に低いという構造的な問題を抱えています。
【用語解説】報酬プランとは?
ネットワークビジネスにおいて、会員がどのように収入を得られるかを定めた仕組みのこと。会社の利益分配のルールであり、ビジネスの魅力を左右する重要な要素です。
市場価格からかけ離れた製品、そして会員に優しくない報酬プラン。この二重苦を抱えながらも会社が成長しているのは、ひとえに、先ほど申し上げた一人のカリスマリーダーの力に負うところが大きい。属人的な危うさを内包した成長である、というのが私の見解です。
第6位〜第4位 業界を支える古豪たちの戦略
ランキングもいよいよ中盤です。ここからは、長年にわたり業界を支えてきた「古豪」とも言える企業が登場します。彼らが生き残り、さらに成長している秘密はどこにあるのでしょうか。
第6位:ベルセレージュ(売上高:241億円 / 前年比:2.6%アップ)

ここで、皆さんに非常に興味深い事実をお伝えしたいと思います。ここまでのランキングを振り返ってみてください。
- 10位:ナチュラリプラス
- 9位:グラント・イーワンズ
- 8位:アシュラン
- 7位:フォーエバーリビングプロダクツ
- 6位:ベルセレージュ
この中で、ナチュラリプラスさんを除いたほとんどの会社が、「ブレイクアウェイ」という報酬プランを採用しているのです。
【用語解説】ブレイクアウェイとは?
ネットワークビジネスの報酬プランの一種。自分のグループから一定の成績を収めたリーダーが「独立(ブレイクアウェイ)」する仕組みです。多くのリーダーを育成することで、より大きな収入を得られるのが特徴で、営業力やリーダーシップが求められるプランとされています。
近年、ユニレベルやバイナリーといった、より新しいとされる報酬プランが次々と登場しました。
【用語解説】ユニレベル、バイナリーとは?
- ユニレベル:自分の直紹介者を何人でも第一レベルに置くことができ、そこから下の階層の売上に対して報酬が支払われるプラン。シンプルで分かりやすいのが特徴。
- バイナリー:自分の直下に2つのグループ(ライン)しか構築できず、左右のグループの売上バランスに応じて報酬が決まるプラン。アップラインからのスピルオーバー(紹介者の配置)が期待できるのが特徴。
しかし、蓋を開けてみれば、トップ10にランクインしているのは、古典的とも言えるブレイカウェイの会社が多い。これは何を意味するのでしょうか。
私は、コロナ禍を経て、営業力や販売力といったビジネスの地力がある会社が、結局は強いという「原点回帰」が起きているのだと分析しています。影響力のあるリーダーがしっかりと組織をまとめ、製品を販売していく。この王道のスタイルが、再び見直されているのです。
ベルセレージュさんも、まさにその典型と言えるでしょう。
同社も、一部で「買い込みがある」といった話は聞かれますが、製品そのものへのこだわりは強いものがあります。
例えば、化粧品の「表示指定成分」がまだ義務化される前から、「表示指定成分を一切使わない」というコンセプトを掲げ、製品の安全性を強くアピールしてきました。これは、マーケティング戦略として非常に巧みだったと言えます。
(※ただし、製品の裏面表示を見ると、製造会社とのダブルネームになっており、自社で製造販売許可を取っているわけではない、と当時指摘されていたことも付記しておきます。私自身、製品データを確認しましたが、他社と比べて突出した優位性があるとは感じませんでした。)
会員層は比較的高齢で、中には陰謀論的な手法で「他社の製品は危険だ」と煽り、自社製品の優位性を説くような活動も見受けられます。ただ、外資系ではなく日本の企業であるという点で、まだ節度がある方なのかな、という印象は持っています。
このベルセレージュさんの躍進は、報酬プラン「ブレイカウェイ」の強さと、巧みなマーケティング戦略がもたらした結果だと言えるでしょう。
第5位:ニュースキン ジャパン(推定売上高:300億円)

第5位は、ニュースキン ジャパンさん。推定売上高は300億円とされています。
しかし、私は声を大にして言いたい。

「絶対に、こんな売上はない」と。
かつて、ニュースキンには業界の誰もが知るカリスマリーダーたちがいました。彼らが築き上げた黄金時代がありましたが、そのリーダーたちが退いて以降、正直なところ、ニュースキンは底が見えないほどに落ち込んでいます。
もちろん、希望がないわけではありません。
最近では、30代前半くらいの若い世代が、InstagramなどのSNSを駆使して、非常にうまく活動しています。彼らは「ニュースキン」という会社名を前面に出すのではなく、製品の魅力やライフスタイルを伝えることで、新たなファンを獲得しているのです。素晴らしい次世代のリーダーが、確かに育ってきています。
しかし、彼らが直面しているのは、ニュースキンのビジネスモデルそのものの限界です。
まず、報酬プランが、現代のSNSを活用したビジネススタイルに合っておらず、せっかく製品を広めても、それが収入につながりにくい構造になっています。
そして、製品自体も、私たち専門家から見ると、少し時代遅れになっている感が否めません。成分の内容が、良く言えばさっぱり、悪く言えば「薄い」。若い世代には受け入れられるかもしれませんが、年齢を重ね、より濃厚で効果の高いものを求める層には、物足りなく感じられるでしょう。
素晴らしい若手リーダーの才能と、時代に合わなくなったビジネスモデルの齟齬。この大きな課題を抱えている以上、推定300億円という売上は、あまりにも実態と乖離していると言わざるを得ません。
第4位:フォーデイズ(売上高:308億円 / 前年比:3.3%ダウン)

第4位は、フォーデイズさんです。売上高308億円、前年比は3.3%のダウンとなりました。
このフォーデイズという会社も、過去に行政処分を受けた経験があります。普通に考えれば、ナチュラリプラスさんのように、ここから急激に売上を落としていっても何ら不思議ではありません。
しかし、300億円規模を維持し続けている。これは、ひとえにリーダーたちの底力と言うべきでしょう。組織が崩壊することなく、会員をまとめ続けているリーダーシップは、賞賛に値します。
会員層は年配の方が多く、製品もその世代が求めるもの(核酸ドリンクなど)に特化しています。このターゲット設定の明確さが、同社の強みの一つです。
正直、私にもフォーデイズさんに対して言いたいことは山ほどあります。しかし、現場で真摯に活動し、頑張っている会員さんたちがたくさんいるのも事実です。ですから、ここではこれ以上の言及は控えます。
ただ、一つだけ。フォーデイズの和田社長、もし引退をお考えでしたら、その前に一度、私たちとコラボレーションしませんか。弊社が持つ製品開発のノウハウやITシステムを提供させていただくことで、御社の素晴らしい会員組織を、さらに未来へとつなげるお手伝いができるはずです。ご興味があれば、ぜひ会員様を通じてご連絡ください。
いよいよトップ3!巨大企業の光と影
さあ、いよいよトップ3の発表です。ここにランクインする企業は、もはやネットワークビジネスという枠を超え、一般の消費者にもその名を知られる巨大企業です。しかし、その輝かしい売上の裏には、深刻な構造問題が横たわっていました。
第3位:ノエビア(売上高:360億円 / 前年比:5.2%アップ)

第3位に輝いたのは、ノエビアさんです。売上高360億円、そして前年比5.2%アップという素晴らしい結果です。
この数字には、実は一つのカラクリがあります。それは、OEMの売上が含まれているという点です。
【用語解説】OEM(Original Equipment Manufacturer)とは?
他社ブランドの製品を製造すること。ノエビアは自社ブランド製品だけでなく、他社の化粧品などの製造も請け負っており、その売上が全体の数字を押し上げています。
私は、このノエビアさんの戦略こそが、これからのネットワークビジネス企業が生き残るための一つの理想形ではないかと考えています。自社ブランドだけで勝負するのではなく、メーカーとしての技術力を活かして他社にも製品を供給し、経営の安定を図る。これは非常に賢明な戦略です。
ノエビアさんは、フルベールさんと並び、「自然派化粧品」というジャンルを世に広めた草分け的な存在です。ビジネスモデルは、訪問販売に近い対面でのカウンセリングを重視したスタイル。そのため、本来であれば会員の高齢化が進み、世代交代に苦しんでいてもおかしくありません。
しかし、この「5.2%アップ」という数字は、その世代交代がうまくいっている可能性を示唆しています。
高価格帯からミドル層向けまで、幅広い価格帯の製品ラインナップを揃えることで、新しい顧客層を取り込むことに成功しているのかもしれません。
自社ブランドの強化と、OEM事業による経営基盤の安定。この両輪がうまく噛み合っていることが、ノエビアさんの強さの秘密でしょう。非常に参考になるビジネスモデルだと思います。
第2位:三基商事(売上高:500億円 / 前年比:5.7%ダウン)

第2位は、あの「ミキプルーン」でおなじみの三基商事さんです。売上高500億円、前年比は5.7%のダウンとなりました。
かつて、同社の売上は800億円、いや900億円を超えていた時代もありました。その頃から比べると、大きく数字を落としているのが現状です。
三基商事さんの最大の特徴は、早くからスーパーマーケットなどの一般流通チャネルに販路を広げたことです。
通常、ネットワークビジネスの製品が一般の店頭に並ぶことはありません。しかし、三基商事さんはその常識を打ち破り、成功を収めました。多くのネットワークビジネス企業が、「将来はうちも一般流通に」と、この三基商事さんをベンチマークにしてビジョンを語りましたが、本当に成功したのは、後にも先にもこの会社だけでしょう。
しかし、ここに大きな疑問が浮上します。この「500億円」という売上は、果たしてネットワークビジネス部門だけの数字なのでしょうか。おそらく、一般流通も含めた全社の売上である可能性が非常に高い。
もしそうだとしたら、ネットワークビジネスとしての組織は、かなり厳しい状況に置かれているのではないかと推測されます。私が以前にお会いしたリーダーの方のお話でも、会員の高齢化は極めて深刻な問題になっているとのことでした。
つまり、組織としての売上は年々減少し、その穴を、会社からスーパーなどへの直接の卸販売が埋めている。もしこの構図が正しいとすれば、ネットワークビジネス企業としては「激しく沈んでいる会社」の一つとさえ言えるかもしれません。
「ミキプルーン」という強力なブランドイメージのおかげで、世間一般ではネットワークビジネスという認識は薄いかもしれません。その優れたブランディング戦略は見事ですが、一人のビジネスマンとして見れば、ネットワークビジネス部門だけの純粋な売上高が知りたいところです。
もしその数字が明らかになれば、もしかすると、10位のナチュラリプラスさんと同程度の規模になっている可能性すらあるのではないか。私は、密かにそう考えています。
第1位:日本アムウェイ(売上高:746億円 / 前年比:7.1%ダウン)

そして、栄えある第1位は、やはりこの会社、日本アムウェイさんでした。売上高746億円、前年比は7.1%のダウンです。
まず、この場を借りて一つ。以前、私が3年前に制作したアムウェイに関する動画が、圧力によって削除されたことがありましたが、先日、その動画を再アップロードしました。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
さて、アムウェイは、日本でネットワークビジネスを始めてから約70年、そのビジネスモデルの根幹はほとんど変わっていません。そして、この「746億円」という巨大な売上の裏には、非常に根深い、構造的な問題が存在します。
私の勝手な、しかし長年の経験に基づいた予測を申し上げます。

この売上の、実に3分の2は、会員による「買い込み」で構成されているのではないでしょうか。
「買い込み」とは、つまり、自分で消費するためでも、誰かに販売するためでもなく、ビジネス上のタイトル(ランク)を維持・昇格するためだけに、必要のない製品を大量に購入する行為のことです。
なぜ、私がそう断言できるのか。
「一人で300万円分の製品を買った」というような相談が、私の元には山のように寄せられるからです。
その証拠に、フリマアプリのメルカリを見てみてください。アムウェイの製品が、定価の10分の1といった信じられないような価格で、大量に出品されています。これは、タイトル維持のために無理して購入した製品を、少しでも現金化しようとする会員たちがいることの、何よりの証拠です。
もし、この売上の3分の1だけが、純粋な愛用者による消費や販売によるものだとしたら、実際の流通規模は250億円程度ということになります。
三基商事さんのネットワーク部門の売上がもし少ないとすれば、この業界で純粋な売上が300億円を超える企業というのは、実は存在しないのかもしれない。そして、その見かけ上の売上さえもが、会員たちの過剰な「買い込み」によって支えられている。
これこそが、私が長年見てきた、このネットワークビジネス業界の「闇」なのです。
ランキング全体から見える業界の構造変化と未来
さて、ここまでトップ10の企業を個別に見てきました。最後に、このランキング全体を俯瞰し、現在のネットワークビジネス業界がどのような構造変化の只中にあるのか、そして、これから私たちはどこへ向かうべきなのかについて、私の考察をお話しします。
市場規模の劇的な縮小という現実
まず、皆さんに直視していただきたい、衝撃的な事実があります。
今回のデータによると、トップ10社の売上合計は3095億円で、これが市場全体の約55%を占めているとのことです。逆算すると、現在のネットワークビジネスの市場規模は、およそ7200億円ということになります。
私がこの業界に本格的に参入した20年ほど前、市場規模は「3兆6000億円」と言われていました。

お分かりでしょうか。
この20年間で、市場は5分の1にまで縮小してしまったのです。
これは、例えるなら、どんどん客足が遠のいていく寂れた商店街で、「今からおばあちゃん向けのアパレル店を開いて一攫千金を目指そう」と言っているようなものです。
「いや、自分たちがやっているのは最先端のビジネスだ」と、あなたは反論するかもしれません。しかし、数字は嘘をつきません。これは、業界全体が「明らかに間違った方向」に進んできた結果なのです。
「原点回帰」と「ニューリーダーの台頭」
では、この縮小する市場の中で、何が起きているのか。私は、二つの大きな潮流があると考えています。
一つは、ここまで何度も触れてきた「古典的な訪問販売型への原点回帰」です。ランキング上位にブレイカウェイ採用企業が多かったことが、それを物語っています。対面でのコミュニケーションと強力な販売力を持つ、地力のある組織が、コロナ禍を経て息を吹き返しているのです。
そして、もう一つの潮流。それが、「インターネットを駆使するニューリーダーの台頭」です。
ニュースキンの若い世代のように、SNSを巧みに活用し、新しい時代のやり方で成果を出すリーダーたちが、確かに現れ始めています。伸びている会社の中には、必ずと言っていいほど、このようなネットに強い若いリーダーが存在します。
しかし、ここに大きな問題があります。
多くの会社が、この新しい潮流に対応できていないのです。会社の提供する報酬プランやサポート体制、ITシステムが古いままで、新しいリーダーたちの足を引っ張ってしまっている。
先週取り上げたドテラさんのケースのように、SNSで素晴らしい活動をしているリーダーが、薬機法に関する知識不足から、無意識に違反行為を繰り返してしまうという悲劇も起きています。
【用語解説】薬機法とは?
正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」。化粧品や健康食品などで、医薬品と誤解されるような効果効能をうたうことを厳しく規制している法律です。
これは、リーダー個人の問題だけでなく、彼らを教育し、守るべき会社の体制が整っていないことの現れです。
「誰とやるか」から「何を学ぶか」の時代へ

かつて、私自身が作った言葉に、「何をやるかではなく、誰とやるか」というものがあります。この言葉は業界に広まり、今も多くの人が使っています。
しかし、私は今、この言葉はもう古いと断言します。

これからの時代に本当に重要なのは、「誰とやるか」ではありません。
「何を学び、どんなスキルを身につけるか」です。
インターネットがすべてを変えました。
過去の成功体験を持つリーダーの「思えば叶う」といった精神論や、成功者の真似をするだけのやり方は、もはや通用しません。
今、ネットで成果を出しているリーダーたちは、そんな古いやり方はしていません。彼らは、マーケティングを学び、法律を学び、ITスキルを身につけ、自分自身の力で道を切り拓いているのです。
スキルさえあれば、極論、所属する会社なんてどこでもいい。
スキルさえあれば、自宅から一歩も出ずに、今あるものをマネタイズ(収益化)することだってできる。メルカリで不要品を売るように、誰もが自分の価値をお金に変えられる、そんな時代なのです。
まとめ:これからのネットワークビジネスで成功するために
今回は、「ネットワークビジネス売上高ランキング2025」を基に、業界の今と未来について、私の考えをお話しさせていただきました。
ランキングを振り返ると、業界が抱える「買い込み」という根深い闇、市場規模の劇的な縮小という厳しい現実、そしてその中での「古典的回帰」と「新しい潮流」という二極化が見えてきました。
もし、あなたがこの業界で本当に成功したいと願うのであれば、もはや古い価値観に囚われている時間はありません。
- 学ぶこと:マーケティング、コンプライアンス(法律)、ITスキルを徹底的に学んでください。
- スキルを身につけること:学んだ知識を実践し、自分だけの「稼ぐ力」を身につけてください。
これからのスタンダードは、法律を遵守したクリーンなやり方で、かつ、再現性のあるスキルに基づいたビジネスモデルです。
あなたの学び方、そしてビジネスへの取り組み方を、今日この瞬間から変えていくべきです。
努力と根性の訪問販売が向いている人もいるでしょう。しかし、多くの人はそれを望んでいないはずです。
この記事が、あなたの未来を切り拓くための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
皆様の未来が、より明るく、希望に満ちたものになることを、心から願っております。
それでは、また次回の記事(動画)でお会いいたしましょう。
垣内でした。ありがとうございました。

ありがとうございました!


